言わなくてもわかる、は英語で通用しない

言葉に頼る文化と、空気に頼る文化の違いを読み解く

「英語って、なんで何でも言葉にしないといけないの?」
「日本語なら“察してくれる”のに…」

特に男性にとっては、察するのが困難だったりしますが、日本人であれば、男性であっても前後の会話から推察をして主語や目的語を、「暗黙」で補っている場合が見られます。
そんな違いがどうして起こるのか、という背景には、言語の“コンテキスト依存度”の違いがあるのです。

この記事では、日本語と英語の「コンテキスト(文脈)依存度」の違いを、言語・文化・コミュニケーションの観点から比較し、英語学習にどう活かせるかを探ります。

ハイコンテキスト vs ローコンテキストとは?

分類特徴代表言語・文化
ハイコンテキスト言語文脈・非言語情報に強く依存。言葉は少なくても通じる日本語、韓国語、中国語、アラブ語など
ローコンテキスト言語言葉そのものに意味が込められる。明示的な表現が必要英語、ドイツ語、オランダ語、スウェーデン語など

エドワード・ホール(文化人類学者)が提唱した概念で、言語と文化の“情報伝達スタイル”の違いを説明する理論です。

日本語はなぜハイコンテキストなのか?

主語・目的語の省略が頻繁です。(「行ってきます」「それ、いいね」など)。誰が、とかどこへなどの情報は前後から推察ができるからです。

相手の立場・空気・場面に応じて意味が変わる場合があります。「写真とって」、といえば「写真を撮影してほしい」ということになります。

曖昧さ・余白・察する力が美徳とされる文化的背景があります。はっきり言わないことによって、相手を傷つけない、という繊細さが求められる場合があるからです。

書かれていないこと・言われていないことにこそ意味を含めている場合もあります。

英語はなぜローコンテキストなのか?

主語・動詞・目的語を明確に述べる必要があります。英語は動詞を中心とした言語であり、他民族国家である場合もあり、日本のようにほぼ単一民族による「察し」が通用しないのです。

曖昧な表現は誤解を生むため、明示的な言語化が重視されるという文化のためです。私なのか、あなたなのか。彼なのか、だれなのか。

法律・契約・議論など、言語による論理構築が文化的に根付いているのです。曖昧さによる暗黙の了解ではなく、明示的にする必要があるのです。

「言わなければ伝わらない」が前提。男性の皆さん、「察して」に悩む必要が英語にはないのです。

具体例で比較してみよう

シーン日本語(ハイ)英語(ロー)
会話での依頼「あれ、お願いね」“Could you send me the file by 3 p.m.?”
感情表現「まあまあかな」“I’m feeling a bit disappointed, to be honest.”
書き言葉「ご確認のほど、よろしくお願いいたします」“Please review the attached document and let me know your thoughts.”

英語学習にどう活かすか?

日本語を英語にするときには、一度英語風に、明示的に主語や目的語を入れて補う、という変換をしたうえで、英語にするというトレーニングをしたほうがよいのでしょう。そうすることによって、英語の感覚が鍛えられ、英語を発するスピードと精度が上がっていくのです。

✅ 「言わなくても伝わる」は英語では通用しない

✅ 自分の意図・感情・依頼を明確に言語化する練習が必要

✅ 曖昧な表現を避け、具体的な言葉で伝える習慣をつける

✅ AIとの対話(Copilotなど)で「明示的な英語表現」を練習するのも効果的

日本語の“察する文化”は美しいです。

でも、英語の“言語化する文化”もまた、相手への配慮と誠実さの表れです。
英語を学ぶことは、単に言葉を覚えることではなく、異なる文化の“伝え方”を身につけることが大事です。

以上<言わなくてもわかる、は英語で通用しない>という話題でした。

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